石を巡る旅1:田上山の中沢晶洞(滋賀県大津市)

中沢晶洞

2019年も押し迫ってきたので、今年撮影した写真の中から石の話をしてみます。

私はもともと大津市の生まれで(残念ながら堅田ではありませんが)、小さいころから家族で山に親しんできました。同じくらい身近だったのが鉱物です。

小学生の頃、学研の小学生向け雑誌で「紫水晶」が付録についたことがあります。それが初めて見た鉱物で、美しさに見とれて宝物にしていました。

田上山は子どものころから親しんできた場所ですが、中沢晶洞のことは今年になるまで知りませんでした。

数年前に地元に帰ってきた兄弟が、最近水晶探しを兼ねて山歩きをしていることを知り、調べてみたら中沢晶洞のことが出てきたのです。場所を探してみることになりました。

中沢晶洞

かつてトパーズと水晶の産出で知られた山が滋賀県にある。

大津市南部に位置する田上山(たなかみやま)です。実はいくつかの山の総称で「湖南アルプス」とも呼ばれ、主峰は不動寺のある太神山(たなかみやま)になります。

田上山は巨石が多く、山岳信仰の山として古くから信仰を集めてきました。現在は東海自然歩道が通っており、ハイカーに親しまれています。

藤原京や平城宮の造営で田上山の木を大量に切り出し、はげ山となっていることのほうが有名かもしれませんね。

田上山は、甲賀市信楽町(現在放送中のNHK朝ドラ「スカーレット」の舞台)と境を接していて、東海自然歩道経由で信楽方面から登ることもできます

その田上山に「中沢晶洞」と呼ばれる空洞があるのをご存じでしたか?

https://ja.wikipedia.org/wiki/田上山によれば、1974年に中沢和雄さんによって発見された晶洞で、重さ6.2kgの国内最大のトパーズの巨晶がここで発見されました。

晶洞(しょうどう)とは、堆積岩や、火成岩玄武岩内部に形成された空洞の事で、鉱山などでは俗称で〈がま〉ともいわれる。

ジオード(英: Geode)」との呼称が国内外で一般的である。内部には熱水や地下水のミネラル分によって、自形結晶が形成される。
https://ja.wikipedia.org/wiki/晶洞


中沢晶洞

中沢晶洞入口より内部を撮影。

大人数人が入れる大きさで、奥は掘り進められていますが、大きな水晶がごろごろ転がっているというような状況ではありませんでした。まるで廃鉱山のようで、素人目には何も残っていないように見えました。

晶洞内部の岩肌を撮影してみました。石英でしょうか。その質感にかつての繁栄ぶりを彷彿とさせるものがありました。

中沢晶洞


中沢晶洞周辺。一見分かりにくいが、かなりの崖の上にある。

少し下がって撮影してみました。↓上部中央に見えているのが中沢晶洞です。

中沢晶洞のズリ

中沢晶洞のズリ

立っているのが厳しいくらい、かなり急坂な斜面です。

もう少し下から見ると…晶洞はもう見えません。
下の写真左側にトラロープ(寅縞模様のロープ)が写っていますが、このロープがないと登るのは難しいです。

中沢晶洞のズリ

↓振り返るとこんな感じで、白っぽい石が斜面に大量に散らばっていました。

中沢晶洞のズリ

中沢晶洞のある崖の手前(写真)になります。いわゆるズリと呼ばれる廃石場だった場所だと思われます。

鉱山で採掘された鉱石のうち、資源として使えず廃棄する岩石などの部分を捨石ないしは廃石、俗称でズリという。このズリは特定の場所に集められて捨てられる https://ja.wikipedia.org/wiki/ボタ山

中沢晶洞のズリ

黒雲母が多かったかな、といった感。

大人だけでなく子供さんの夏休みの自由研究にもいい場所ですが、来るには必ず、信頼できる大人と数人でお願いします!というのも最後は獣道を歩き、何かあったとき助けにいくには麓から遠い場所にあるからです。


今回の内容は掲載するかどうかで一旦保留してきました。国有林の中でハイキングコースの一部として黙認されてきた場所ではありますが、登山道ではないため危険はあるからです。

それでも掲載を決めたのは、かなりの健脚で熱意がないと行くのが難しい場所にあることと、中途半端な情報はかえって危険を誘発するだけだと考えたからです。地元のことだからこそ、なるべく正確なものをと心がけた記録を残しておくことが大切だと考えています。

というわけで次回、中沢晶洞への道順を掲載します。

次々回以降、田上山より笹間ヶ岳不動寺Aと呼ばれる晶洞跡、田上山系以外から廃鉱山跡の写真を掲載予定です。

中沢晶洞のある山

次回掲載分より:中沢晶洞のある山中の遠景です。
田上山特有の岩肌をむき出しにした風景が道中で見られます。
※白いガードレールは天神川林道(中沢晶洞入口と麓を繋ぐ林道)。

石を巡る旅2:中沢晶洞への道順(田上山/滋賀県大津市)

◇撮影日:2019年2月17日
◇撮影地:滋賀県大津市田上羽栗町
◇photograph of Nakazawa Geode at February,2019(Otsu city,Shiga prefecture,Japan).

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