漫画村問題に思うこと、サイトブロッキング以外の現実的な対応をいつも考えてきた私

漫画村問題、クリエーターとして関心を持ってみていました。

議論の中心が「サイトブロッキングと検閲・通信の秘密(憲法21条2項)」になっていましたが、クリエーター側の「生存権」(憲法25条)から論じたものは非常に少なかった。それがとても残念でした。

 

世に作品を送り出す側が干上がっていくことは、あってはならないことだし、対案や知恵がもっと出てくるといいのですが、残念ながら、”出版社のこれまでの対策を批判して終わり”の紋切り型が、結構ありました。

憲法21条が出てくると、他の事よりも21条のことばかり考えてしまい、利益衡量が紋切り型になる。現場を知らない法律家の悪い癖だと思っています。(これは法律家の修行をしていた私自身の経験を踏まえて、自戒の念を込めて書いています。)

 

サイトブロッキングを採用するか否か以前に、現段階では、インターネット上で他人の著作物を悪用する行為を防ぐための仕組みが追い付いていない事が、一番の問題ではないでしょうか。

海賊版サイトなどで悪質な著作権侵害が起きているときに、迅速に対応できる制度、法体系、運用基準、法律家や技術者の育成をしておかないと、個人や一会社だけではどうしようもない。

各地に著作権の専門家がいない状態で、何か新しいサービスや提言がなされたときに、それは何々に違反しているとか、そういう反応ばかり・・・では、協力し合えるはずの人たちが別々の方向を向いてしまうことになり、建設的ではないと感じます。

技術者であるorangeitemsさんのブログには、とても勇気をもらいました。

自分は何もやらないくせして、人が何かやりだすと邪魔ばっかりする人にはなりたくない – orangeitems’s diary

最近の私のブログの更新状況は、海賊版対策絡みの記事が7割、セキュリティ関係の記事が3割と言ったところです。…

権利を侵害する環境を作った責任を棚上げして、知る権利や電気通信事業法だけを見て反対し続けるのは、どうにも海賊版で疲弊してきた漫画家のことを考えると強い違和感を感じざるを得ません。

具体的に言えば、意見を言っているように見えるけれども、終始、おかしい、これはダメ、と、誰かのアクションを否定する内容に終始し、最後は「正しく慎重に議論を進めてほしい」で終わるような反対記事が多すぎるということです。結局何も提案していないので全体として見れば足を引っ張っているだけです。どうすれば海賊版問題を解決できるか何も示していません。法律の専門家も、ITの専門家も、何かを否定するために存在するのではなく、何かを生み出すために存在して欲しいのです。建設的意見を言うことはリスクを伴いますが、だからこそ専門家が必要なのです。

 

現場で本当に必要なのは、憲法21条や刑法の緊急避難の解説で終わらせるのではなくて、現実的に、かつ法の下で真っ当に今を乗り切っていく方法です。

私はこのブログで、GoogleへのDMCAの申し立てのその後や、実際に経験した困った実例、盗用を防ぐための試みなどを書いてきました。

https://katata.info/tag/copyright/

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次回は、議論となったサイトブロッキングとは逆の方向、つまり、「発信者側」のサーバーで、「ボット」によるアクセスを拒否する方法を掲載する予定です。

コピー行為を継続的におこなっているロボット(クローラー、ボット、スパイダーともいう)を、WordPressにて、自動更新可能なリストで網羅的にはじいてしまう方法です。robots.txtや.htaccessファイルを作成する必要はありません。海外サイトから情報を得ました。