松尾芭蕉と堅田1:芭蕉の句碑5か所と宝井其角寓居跡(滋賀県大津市本堅田)・芭蕉と大津

本福寺にある千那の句碑

堅田と芭蕉:

芭蕉が大津に来たきっかけとなったのは、 本堅田にある本福寺第十一代住職明式の案内があったからだといわれています。

明式は芭蕉の弟子となり、貞享2年(1685)「千那」(せんな)の俳号を与えられました。以来、芭蕉はしばしば堅田を訪れて、堅田の人々と親交を深めるとともに多くの句を残しています。


 

▼堅田には、芭蕉の句碑が5箇所もあります!!

 

●本福寺(滋賀県大津市本堅田1丁目)
「からさきの松は花よりおぼろにて」
「病雁の夜寒におちて旅寝かな」

※からさき(唐崎)=滋賀県大津市唐崎。近江八景のひとつに「唐崎の夜雨」(からさきのやう)がある。
※病雁の・・・=本福寺の住職であり弟子でもある千那を訪ねた際、芭蕉が風邪で寝込んだときの句。


●祥瑞寺(滋賀県大津市本堅田1丁目)
「朝茶飲む僧静かなり菊の花」
祥瑞寺の芭蕉句碑


●堅田漁港入口(滋賀県大津市本堅田2丁目)
「海士の屋は小海老にまじるいとど哉」
堅田漁港の芭蕉句碑


●十六夜公園(滋賀県大津市本堅田1丁目)
俳文「堅田十六夜の弁」(かたた・いざよいのべん)
琵琶湖畔・十六夜公園にある堅田十六夜の弁記碑。向こうに浮御堂が見える。

元禄4年(1691)8月16日、芭蕉は数名の門人と舟で堅田に出かけました。

前日、義仲寺(滋賀県大津市)において月見の宴が催されたが、その余韻はまだ冷めておらず、堅田の竹内茂兵衛成秀(たけうちもへいなりひで)の家で、十六夜の月を愛でる俳句の席が催され、前夜にも増して盛況だったと言います。

その日のことを芭蕉が綴ったのが『堅田十六夜の弁』(かたたいざよいのべん)です。

浮御堂の句碑にある、「鎖(じょう)明けて月さし入れよ浮御堂」、「やすやすと出でていざよう月の雲」は、「堅田十六夜の弁」に出てくる句です。

□十六夜公園:滋賀県大津市本堅田1丁目18-18

□アクセス:京都駅よりJR湖西線で約20分、堅田駅下車。
堅田駅より江若バス堅田町内循環線で約5分、「堅田出町」下車。
湖岸方面(東洋紡・堅田高校の反対方向)へ徒歩約10分。


 

●浮御堂境内(滋賀県大津市本堅田1丁目)
「鎖(じょう)明けて月さし入れよ浮御堂」(堅田十六夜の弁)
浮御堂にある芭蕉の句碑。古い石に句が刻まれている。後ろは琵琶湖、ヨットが見える。

「やすやすと出でていざよう月の雲」(堅田十六夜の弁)
「十六夜や海老煮るほどの宵の闇」
「比良三上雪さしわたせ鷺の橋」

※比良(ひら)=比良山系。
近江八景(琵琶湖周辺の代表的な名勝8カ所)のひとつに「比良の暮雪」(ひらのぼせつ)がある。近江八景の「堅田の落雁」(かたたのらくがん)が、浮御堂。

※三上(みかみ)=三上山。
堅田にとっては琵琶湖の対岸に見える山。近江富士とも呼ばれる。


 

▼本堅田1丁目には宝井其角寓居跡があります!!

芭蕉の弟子として有名な人物に宝井其角(たからい きかく)がいますが、其角の父親が堅田出身です。

■JR湖西線・堅田駅⇔浮御堂周辺散歩■17~alley/路地 012


 

芭蕉と大津:

芭蕉は40代以降、たびたび大津に滞在し、大津で89句の句を詠んでいます。
89句というのは、芭蕉の全発句の約1割にあたる数です。(数字は大津市観光物産課発行のパンフレットより)

▼大津における芭蕉の発句、89句すべてを掲載

特別編:大津における芭蕉の発句、89句すべてを掲載しています~白洲正子「近江山河抄」の舞台を歩く(18)

▼松尾芭蕉と幻住庵

逢坂越8(松尾芭蕉と幻住庵)~白洲正子「近江山河抄」の舞台を歩く(17)

 

▼芭蕉の遺言と義仲寺

芭蕉は、自分の亡骸は義仲寺に葬ってほしいと遺言しました。(「骸(から)は木曽塚(義仲寺)に送るべし」

「義仲寺」(ぎちゅうじ)とは、大津で無念の死を遂げた木曽義仲(きそよしなか)の墓のある寺で、大津南部の城下町・膳所(ぜぜ)にあります。

芭蕉の遺体は多くの門弟たちによって手厚く葬られ、遺言通り、芭蕉は義仲の隣で眠っています。


 

この記事は当ブログのバックナンバーをまとめ直したものです。

・本堅田にある芭蕉の句碑・・・本堅田について ~Honkatata/本堅田045-046 Ukimido/浮御堂019-020(2008/4/24掲載)および居初氏庭園と堅田教会、堅田の句碑・文学碑・顕彰碑、芭蕉の句碑

・堅田と芭蕉、芭蕉と大津・・・琵琶湖畔【十六夜お月見イベント】のお知らせ(近江八景「浮御堂」近く・滋賀県大津市本堅田「十六夜公園」にて。2016/9/16(金)19時開演、津軽三味線と湖族太鼓の生演奏、ゲストは近江学研究所の木村先生)(2016/9/6掲載)

・本福寺にある千那の句碑・・・琵琶湖畔の本堅田にて、年末の風景3(おとせの浜~伊豆神社の幸福の石~本福寺)(2016/12/29掲載)

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