東草野の山村景観(1)~雪の奥伊吹、甲津原の風景。カイダレ・持送り・カワトと茅葺き屋根の民家

雪の甲津原

(祝)ちょうど1500件目の記事になりました!
今回ご紹介するのは、滋賀県北部に位置する米原市です。

伊吹山の西側に、姉川に沿って集落が続く「奥伊吹」と呼ばれる山間地域があります。奥伊吹でも北側の集落4つが、2014年3月に国の重要的景観に指定されました。

東草野の山村景観」です。

この地域はかつて東草野と呼ばれたところで、現在の米原市甲津原(こうづはら)、曲谷(まがたに)、甲賀(こうか)、吉槻(よしつき)の総称です。

2014年3月21日、重要的景観指定直後の甲津原を訪ねたところ、朝から大雪になりました。甲津原は奥伊吹スキー場のある地区として知られる地区ですが、スキー場には行っていません。今回は、甲津原の「東草野の山村景観」の一部をご紹介します。

甲津原の草野家住宅

米原市教育委員会の方のご案内で訪ねたのが、甲津原(こうづはら)の草野家住宅です。重要的景観の構成要素の一つとなっているお宅です。雪の多い地域に見られる、「カイダレ」と呼ばれる軒下の空間が特徴的です。

「カイダレ」は農作業などの作業空間を確保するためのもので、冬場は「雪囲い」を立てかけるとともに、積雪時の入り口を確保する役割があります。

持送りと呼ばれる彫刻

同じく草野家住宅より、「持送り」と呼ばれる軒下の彫刻です。「持送り」は母屋の軒下や蔵のひさしにつくもので、唐草文などの意匠を凝らしたものです。甲津原だけでなく上草野(滋賀県長浜市)や岐阜県揖斐川町といった近隣地域にも見られるそうです。


惣持寺

こちらは先日ご紹介した、奥伊吹南部の大久保集落で撮影したものです。惣持寺(長尾寺)の本堂手前、写真右側の建物入り口に、新しめの「持送り」が見えますね。


カワトと呼ばれる水場

甲津原をはじめとする東草野の特徴の一つが、集落内をめぐる水路網です。写真は甲津原の「カワト」と呼ばれるかつての洗い場で、板で水路をせきとめたものです。以前は洗い場や生活用水として利用されていたそうです。伊吹山麓は集落内を水がめぐる地域があり、先年北国脇往還沿いの地域を撮影した際にもいくつか見かけました(米原市、長浜市)。

先日大津市の坂本(上坂本)を撮影した際には、集落内の水路に「カワト」と呼ばれるかつての洗い場があり、奇遇に驚きました。甲津原では水路網のことを「カワ」と呼ぶので、「カワト」の語源は「カワ」からくるのだろうと思いますが、このあたりの話も個人的に非常に興味深いです。

甲津原
甲津原の集落の入り口に「唐臼小屋」のある高台があります。そこから撮影した一枚です。この場所は積雪量がすごくて、これ以上登れませんでした。


奥伊吹ふるさと伝承館

翌2015年3月、甲津原で撮影した集落の写真です。晴れると印象が違いますね。

奥伊吹ふるさと伝承館

こちらも2015年3月、甲津原で撮影しました。「奥伊吹ふるさと伝承館」です。茅葺き屋根の民家を活かした資料館で、内部には民具などが展示されています。土日祝日のみ開館されていると伺いました(入館無料)。場所は甲津原の入り口で、同じ敷地の甲津原交流センターに駐車場とトイレとバス停があります。

奥伊吹ふるさと伝承館
http://www.city.maibara.lg.jp/0000001498.html

重要文化的景観「東草野の山村景観」(米原市ホームページ)
http://www.city.maibara.lg.jp/0000004369.html

参考:『東草野の山村景観-琵琶湖を育む水源の景観-』(米原市作成パンフレット)

Kouduhara(Kouduhara,Maibara city,Shiga prefecture,Japan).
Copyright(c) Jun Kanematsu/junphotoworks.com(兼松純写真事務所)

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