奈良・柳生街道(滝坂の道)から春日山、若草山を歩く(2)―首切地蔵と春日山石窟仏

柳生街道(滝坂の道)
春日山原始林の中を続く柳生街道(滝坂の道)。江戸時代中期に奈良奉行によって敷かれたという石畳の道が、往時の面影を残しています。柳生は、剣豪で知られる柳生十兵衛の故郷で、大和国添上郡柳生郷(現在の奈良市柳生町)です。

江戸時代には、奈良から柳生の里まで、この道を剣士たちが往来しました。そして「昭和のはじめまで、柳生から奈良方面へ米や薪炭を牛馬の背につけて下り、日用品を積んで帰っていくのに使われ」ました(道中の案内板より)。

さほど高低差は感じなかった道でしたが、静かな山中をどこまでも続く道を、汗をかきながら登っていくと、つくづく思うのは「昔の人は健脚ですよね…」
Photograph of the old Yagyu Road,Nara,Japan.

首切地蔵
首切地蔵。柳生十兵衛の弟子・荒木又右衛門が試し切りをしたと伝わる傷が残る地蔵。鎌倉時代の作と言われます。首切地蔵の向かいには休憩所とトイレがあり、ここで春日山遊歩道と合流します。飛火野バス停からここまで、撮影しながら歩いて約1時間でした。
Photograph of Kubikiri Jizo(the old Yagyu Road,Nara,Japan).

見上げた空と春日山原始林
見上げた空と春日山原始林。春日大社の神山なので、原始の林が残っています。
Photograph of Kasugayama Primeval Forest (the old Yagyu Road,Nara,Japan).

首切地蔵の少し先で、柳生街道は再び春日山遊歩道と分かれます。ところが、付近を「奈良奥山ドライブウェイ」(若草山山頂へ行く自動車道。ハイカーも通行可能)が通っていまして、春日山遊歩道から奥山ドライブウェイへきちんと出ないと、柳生街道から出られなくなってしまうことに気がつく筆者…(山の中だし…実際に出るまで不安になるものです)。分岐点が少し分かりにくかったので、地図にしてみました。

春日山石窟仏の上り口道標
こちらが、春日山石窟仏の上り口です。奈良方面から来た場合、ここが柳生街道から春日山遊歩道に出る最後の地点になります。

春日山石窟仏
春日山石窟仏。保護のためフェンスに囲まれていました。(ちなみにここから右へ少し行くと、春日山遊歩道に下りることができ、奈良奥山ドライブウェイに合流します。)

春日山石窟仏
春日山石窟仏(国史跡)。覗き込んだとき、思わず息を飲む荘厳さでした。

案内板によれば、東大寺大仏殿を建てるために石材を掘り取った跡に、18体の石仏が彫られたそうです。作者は不明ですが、正面左側の洞窟(写真)には久寿二年(1155年)の銘があり、平安時代の作と考えられています。

あまり訪ねる人もいないようで、隠れた名所だと思います。実際は春日山遊歩道からも柳生街道からもすぐのところにありますので、周辺を歩く方はぜひ訪ねてみてください。
Photograph of Kasugayama Caves Buddha (the old Yagyu Road,Nara,Japan).

春日山石窟仏

1人体制なので今回はここで春日山へ戻りましたが、柳生街道は峠茶屋を経て、円成寺、柳生へと続いています。奈良から柳生へは山中の道標で確か18km程度あったと思うのですが、今度はせめて円成寺(奈良市忍辱山町)まで撮影しながら歩いてみたいと思っています。

(そうなると連れがいないと厳しいかな・・・ちなみにアシスタントさんがいてくれるといいという本当の意味は、荷物持ちをさせる云々ではなく、こういうときに相棒がいてくれるという強みのことじゃないのかなと思う、今日この頃です。)

次回は、春日山から若草山までの道中を掲載予定です。(撮影日:10月8日)
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