奈良・柳生街道(滝坂の道)から春日山、若草山を歩く(3)―奈良奥山ドライブウェイから若草山山頂

奈良奥山ドライブウェイ
山道から一転して舗装路へ。石畳の柳生街道を折れて、春日山の山中を若草山山頂まで歩いてみました。写真の奈良奥山ドライブウェイは若草山山頂近くまで続く自動車道で、ハイカーも通行できます。この先の道幅はかなり広く、自動車は一方通行な上にあまり通ることも無く、ハイカーには歩きやすい道でした。
Photograph of Nara Okuyama driveway(Nara,Japan).

1枚目の写真は、前回ご紹介した春日山石窟仏の近くで、春日山遊歩道が奈良奥山ドライブウェイと合流したあたりです。写真には写っていませんが、手前に芳山交番所があって、警察官が駐在されていました。こういったところがさすが、観光県・奈良です。

奈良春日山最大の山桜
春日山原始林は国の天然記念物。写真は春日山最大の山桜です。
これだけの大木です、春にはきっと素敵な花を咲かせてくれるでしょう。
この日は途中で野鳥のシジュウカラを見ることができました。文鳥そっくりな鳥です。
Photograph of the biggest cherry tree of Kasugayama(Nara,Japan).

鶯の滝に立ち寄ってまた延々と歩くと、ドライブウェイの駐車場があり、さらに登っていくと公園のような場所に出ました。奥山ドライブウェイとの合流地点から約2時間、ちょうど正午すぎでした。

若草山山頂の大木

若草山山頂と鹿
若草山の山頂でした!

鹿の向こう側に道が見えていますね。若草山山頂は無料ですが、あの道は入山料が必要(大人150円・2015年10月現在)で、下っていくと奈良の町に下りることができます。ちょうど春日大社と東大寺の間のエリアにゲート(北・南)があります。

若草山山頂へは、水谷神社(春日大社近く)から春日山遊歩道を経て登ることもできます。下る若草山、なかなか爽快なので、一味違うルートをお探しの方はぜひどうぞ!
(撮影日:2015年10月8日)

※コース・地図はこちらをどうぞ⇒山林部ハイキング案内(奈良公園事務所)

Photograph of Wakakusayama and deer(Nara,Japan).
Copyright(c)Jun Kanematsu/junphotoworks.com(兼松純写真事務所)





奈良・柳生街道(滝坂の道)から春日山、若草山を歩く(2)―首切地蔵と春日山石窟仏

柳生街道(滝坂の道)
春日山原始林の中を続く柳生街道(滝坂の道)。江戸時代中期に奈良奉行によって敷かれたという石畳の道が、往時の面影を残しています。柳生は、剣豪で知られる柳生十兵衛の故郷で、大和国添上郡柳生郷(現在の奈良市柳生町)です。

江戸時代には、奈良から柳生の里まで、この道を剣士たちが往来しました。そして「昭和のはじめまで、柳生から奈良方面へ米や薪炭を牛馬の背につけて下り、日用品を積んで帰っていくのに使われ」ました(道中の案内板より)。

さほど高低差は感じなかった道でしたが、静かな山中をどこまでも続く道を、汗をかきながら登っていくと、つくづく思うのは「昔の人は健脚ですよね…」
Photograph of the old Yagyu Road,Nara,Japan.

首切地蔵
首切地蔵。柳生十兵衛の弟子・荒木又右衛門が試し切りをしたと伝わる傷が残る地蔵。鎌倉時代の作と言われます。首切地蔵の向かいには休憩所とトイレがあり、ここで春日山遊歩道と合流します。飛火野バス停からここまで、撮影しながら歩いて約1時間でした。
Photograph of Kubikiri Jizo(the old Yagyu Road,Nara,Japan).

見上げた空と春日山原始林
見上げた空と春日山原始林。春日大社の神山なので、原始の林が残っています。
Photograph of Kasugayama Primeval Forest (the old Yagyu Road,Nara,Japan).

首切地蔵の少し先で、柳生街道は再び春日山遊歩道と分かれます。ところが、付近を「奈良奥山ドライブウェイ」(若草山山頂へ行く自動車道。ハイカーも通行可能)が通っていまして、春日山遊歩道から奥山ドライブウェイへきちんと出ないと、柳生街道から出られなくなってしまうことに気がつく筆者…(山の中だし…実際に出るまで不安になるものです)。分岐点が少し分かりにくかったので、地図にしてみました。

春日山石窟仏の上り口道標
こちらが、春日山石窟仏の上り口です。奈良方面から来た場合、ここが柳生街道から春日山遊歩道に出る最後の地点になります。

春日山石窟仏
春日山石窟仏。保護のためフェンスに囲まれていました。(ちなみにここから右へ少し行くと、春日山遊歩道に下りることができ、奈良奥山ドライブウェイに合流します。)

春日山石窟仏
春日山石窟仏(国史跡)。覗き込んだとき、思わず息を飲む荘厳さでした。

案内板によれば、東大寺大仏殿を建てるために石材を掘り取った跡に、18体の石仏が彫られたそうです。作者は不明ですが、正面左側の洞窟(写真)には久寿二年(1155年)の銘があり、平安時代の作と考えられています。

あまり訪ねる人もいないようで、隠れた名所だと思います。実際は春日山遊歩道からも柳生街道からもすぐのところにありますので、周辺を歩く方はぜひ訪ねてみてください。
Photograph of Kasugayama Caves Buddha (the old Yagyu Road,Nara,Japan).

春日山石窟仏

1人体制なので今回はここで春日山へ戻りましたが、柳生街道は峠茶屋を経て、円成寺、柳生へと続いています。奈良から柳生へは山中の道標で確か18km程度あったと思うのですが、今度はせめて円成寺(奈良市忍辱山町)まで撮影しながら歩いてみたいと思っています。

(そうなると連れがいないと厳しいかな・・・ちなみにアシスタントさんがいてくれるといいという本当の意味は、荷物持ちをさせる云々ではなく、こういうときに相棒がいてくれるという強みのことじゃないのかなと思う、今日この頃です。)

次回は、春日山から若草山までの道中を掲載予定です。(撮影日:10月8日)
Copyright(c)Jun Kanematsu/junphotoworks.com(兼松純写真事務所)

奈良・柳生街道(滝坂の道)から春日山、若草山を歩く(1)―浮見堂から朝日観音まで

浮見堂
奈良公園の浮見堂。当ブログの舞台である堅田(滋賀県大津市)の「浮御堂」とよく間違われますが、奈良の浮見堂は池の中の静かな休憩所です。奈良交通のバス停「飛火野」下車、徒歩約5分。今回はここから柳生街道(滝坂の道)へと山登りです!
Photograph of Ukimido(Nara Park),Nara,Japan.


高畑観光駐車場の裏(※トイレあり)から志賀直哉旧居前を通り、飛鳥中学校(地図右下)へと歩きました。本来の柳生街道は、「飛火野」の次のバス停「破石町」で下車して「旅籠 長谷川」さんの前を通り、飛鳥中学校の前へ出る道ですが、今回は途中まで他の道を通っています。

奈良の住宅街の鹿
志賀直哉旧居付近で出会った鹿。左は春日大社の林で、一帯は閑静な住宅街でした。隠れ家的な喫茶店や食事処もあるので、大人の皆さんにおすすめのエリアです。

この先の飛鳥中学校の校門前で、道は2つに分かれます。左が春日山遊歩道、右が柳生街道(滝坂の道)。柳生街道へと進むと、しばらくは住宅街の中を上っていくのですが、家が途切れ、舗装された道が終わり、ついに山中へと入ります。

柳生街道(滝坂の道)
柳生街道。春日山原始林の中を、石畳の山道が続きます。柳生街道の中でも、能登川沿いの石畳の坂道は「滝坂の道」(または「滝坂道」)と呼ばれてきました。
Photograph of the old Yagyu Road,Nara,Japan.

柳生街道(滝坂の道)
柳生街道(滝坂の道)。右は能登川。春日大社から1時間程で出会う別世界です。この道は江戸時代、奈良から柳生の里へと剣士たちが往来した道でした。古くは平安から鎌倉時代に南都の僧侶たちが修行したと言われる道です。

朝日観音
朝日観音。柳生街道(滝坂の道)の道中にある、いくつかの磨崖仏のひとつです。
「文永2年(1265年)の作、実際は観音ではなく、中央は弥勒如来、左右は地蔵菩薩」とのことです。(https://ja.wikipedia.org/wiki/柳生街道)
Photograph of Asahi Kannon (the old Yagyu Road),Nara,Japan.


次回は首切地蔵、春日山石窟仏(国史跡)をご紹介します。(撮影日:10月8日)
Copyright(c)Jun Kanematsu/junphotoworks.com(兼松純写真事務所)

ただいま奈良の秋を撮影中(3)―若草山ゲート前でお昼寝中の鹿

若草山ゲート前で昼寝中の鹿
奈良・若草山のゲート前。目の前に一匹の鹿がやってきて、すやすやと寝てしまいました。出先で犬や猫とすぐ仲良くなれる筆者ですが、これだけリラックスしてくれる「鹿」に会ったのは初めての経験でした。

若草山ゲート前で昼寝中の鹿
おやすみ…「寝る子は育つ」ってこういうことかな。誰もいない昼下がりのひとこま。
Photograph of Nara,Japan.Sleeping deer near the Wakakusayama north-gate.

若草山と紅葉
鹿の目の前に広がっていた風景―青空と紅葉と若草山です(撮影日:10月8日)。
この日は朝から春日山原始林を歩き、若草山山頂から麓まで下ってきました。
Photograph of Wakakusayama,Nara,Japan.

春日大社の奥には旧柳生街道(滝坂の道)が通っており、柳生十兵衛で知られる「柳生の里」へと続いています。この滝坂の道を途中まで歩き、春日山中の奈良奥山ドライブウェイを経由して若草山山頂まで、春日山原始林を一人で歩きました。

旧柳生街道(滝坂の道)
こちらが旧柳生街道(滝坂の道)です。江戸時代に剣士が通ったという石畳の道が、林の中をどこまでも続いています。そしてご覧の春日山原始林は、屋久島を思わせるような見事な林でした。

ここは春日大社界隈から歩いて1時間ほどしか経っていない場所です。春日大社の神域なので、これだけの林が残ったのですね。次回、ご紹介します。(そういえば、奈良の鹿は春日大社の神のお使いとして、古来から大切にされてきた動物でしたね!)

Photograph of the old Yagyu Road,Nara,Japan.

ただいま奈良の秋を撮影中(2)―法輪寺三重塔と柿の木(付記:法隆寺と写真撮影)

法輪寺三重塔と柿の木
斑鳩の里はちょうど柿の季節。法輪寺の奥の高台は、一面の柿の木畑でした。法輪寺の三重塔と一緒に撮影しています(10月25日撮影)。
Photograph of Ikaruga,Nara,Japan.Horinji Temple.


法起寺から法輪寺、法隆寺の間は遊歩道が整備されていて、とても歩きやすい道になっています。

法輪寺奥のサイクリングロードを下ると、天満池の向こうに法隆寺の五重塔が見えてきます。Photograph of Ikaruga,Nara,Japan.Horyuji Temple.↓
法隆寺と町並み
せっかくなのでこの機会に、法隆寺と写真撮影について、少し書いてみます。

▼法隆寺は撮影できないの?

法隆寺と言えば、写真撮影が厳しいと言われるお寺ですが、敷地内で建物外部を撮影するのは禁止されていませんし、個人的に敷地内の建物外部でカメラを持っていて注意されたこともありません。筆者は建物入口でカメラをカバンに入れるので、それが無難なのかもしれません。むしろ法起寺のほうが厳しい印象があります(一眼レフを持っている人は受付で「建物は構いませんが仏像はご遠慮ください」と言われます)。

法隆寺で禁止されているのは、1.建物内部での撮影仏像など)と、2.「ストックフォト(商用)目的」の場合で、「敷地内」から撮影した写真を「インターネットで掲載」することです。筆者が契約しているアマナイメージズでもその旨明示されています。http://amanaimages.com/pickup/serial/rights/130620.html

ストックフォトで撮影するとき、お寺や場所によってはこういうことがあるので、アマナイメージズや当方では「詳細はお問い合わせください」と表記しています。必要なら許可をとりますし、撮影地は自分でどんどん探します。撮影の実際はその繰り返しです(地元の方にヒントをいただくことも多いです)。

ちなみに、商用撮影禁止あるいは撮影が厳しい場所はこちらに掲載されています(※金閣寺や平等院など有名どころが入っていますが、観光で個人的に撮影するのはもちろん大丈夫ですよ)⇒https://tagstock.com/mypage/creator/magazine/vol013.html

▼法隆寺・斑鳩の地図(おすすめ)は?

こちらがおすすめです。撮影地をお探しの方、お問い合わせいただいた方、だまされたと思って一度歩いてみて!⇒[JRふれあいハイキング 駅からはじまるハイキングMAP]日本の原風景を今に伝える時代の道・斑鳩の里を歩く(PDF)(※2016年3月末まで実施されるハイキングマップです。リンク切れの際はご容赦ください)