沖つ島山3(近江八幡:水郷の風景、安土の山から見た西の湖、アジサイの咲く頃・長命寺)~白洲正子「近江山河抄」の舞台を歩く(28)

繖山(観音寺山)の上から撮影した安土山、西の湖、長命寺山
安土の繖山(観音寺山)の上から撮影した、水郷のまちの風景。
織田信長がかつて、安土城(安土山)から眺めた山並みもこんな感じだったのだろう。
手前より安土山、西の湖、奥島山(右奥)~長命寺山(中央奥)~八幡山(左奥)。
一番奥にぼんやり見えるのが、琵琶湖の向こうの比良山系。

田んぼの緑の中に、麦秋の茶色がパッチワークのように美しいこの一帯。
地元の方の話では、1942年に干拓されるまで、この一帯は琵琶湖につながっていた。
長命寺(西国三十三所第31番札所)から、繖山の桑実寺まで、舟で参拝していたという。桑実寺と同じ山中には、観音正寺(第32番札所)がある。

昔の巡礼たちは、若狭から今津へ出、そこから船で竹生島(三十番)を経て、長命寺(三十一番)へ渡り、更に観音正寺(三十二番)へと水路を利用したのであろう。(白洲正子『近江山河抄』

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沖つ島山2(近江八幡:ちょっと番外編:八幡堀と、ネコと、菖蒲と紫陽花)~白洲正子「近江山河抄」の舞台を歩く(27)

八幡堀のそばの町屋で出会ったネコ
八幡堀(はちまんぼり)のそばの町屋で、美しいネコに出会った。
赤い首輪がよく似合っている。得意げにしっぽをたててのご挨拶。
体つきから見て、授乳中のお母さんネコらしい。

菖蒲の咲く八幡堀-1
菖蒲の咲く八幡堀。黄色い花の前に、さきほどのネコ(後姿)。奥に舟が見える。
(撮影日:2013年6月11日)

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近江路1(東海道水口と大池寺)~白洲正子「近江山河抄」の舞台を歩く(25)

水口神社参道の松並木

東海道は、草津で中山道とわかれて南下するが、一番はじめにくる主要な町が水口(みなくち)である。(白洲正子『近江山河抄』

白洲さんはこの後、水口での松尾芭蕉のエピソードを紹介している。
芭蕉の代表作『野ざらし紀行』の道中の出来事である。最初にご紹介したい。

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沖つ島山1(安土のかくれ里、教林坊と老蘇の森)~白洲正子「近江山河抄」の舞台を歩く(24)

教林坊庭園-1
安土の繖山(きぬがさやま)の麓に、聖徳太子によって605年に創建された寺がある。
教林坊という天台宗の寺で、白洲正子さんの著作には「石の寺」「石寺」として登場する。

付書院からの眺めは「掛軸庭園」と呼ばれ、一番美しい眺めとされる(写真一枚目)。
自然を切り取って四季折々の山水掛け軸に見立てる。日本独自の感性と言えよう。

麓の石寺という部落は、世捨人のような風情のある村で、かつては観音正寺の末寺が三十以上もあり、繁栄を極めたというが、現在は教林坊というささやかな寺が一つ残っているだけである。(白洲正子『かくれ里』

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