早春の奥伊吹、セツブンソウ自生地を訪ねる(滋賀県米原市大久保/2017年3月16日撮影)

早春の大久保集落とセツブンソウ自生地

伊吹山麓のセツブンソウ自生地である、滋賀県米原市大久保を再訪してきました。
2月19日に訪問したときは、↓ご覧のとおりの雪でした。

集落の左側に見えているのが、日本史に「姉川の合戦」として出てくる姉川です。
奥に見えているのは伊吹ではなく、七尾山です。  続きを読む →

朝日豊年太鼓踊(滋賀県米原市):国選択無形民俗文化財・日本遺産

秋祭りの季節となり、気温もすっかり下がってきました。皆さま、お変わりありませんか。

故郷滋賀の知られざる美しい風景を撮影する旅も、佳境に入ってきました。2013年3月から「近江山河抄の舞台を歩く」というタイトルでスタートし、2014年春からは主にアマナイメージズへの提供とこのブログへの掲載で続けてきています。

この10月9日(日)には、滋賀県米原市にて、朝日豊年太鼓踊(あさひ ほうねん たいこおどり)を撮影してきました。国選択無形民俗文化財、そして日本遺産「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産」(2014年)に指定されている民俗芸能です。

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伊吹せんろみちと廃線跡(近江長岡駅から徒歩で行く伊吹山登山口・滋賀県米原市)

少し前に「伊吹せんろみち」を歩いたと書いたら、検索で調べていた方がおられたのですが、詳しい情報が出ていないようなので、私が歩いた当時の詳細を覚えているうちに載せておきます。

伊吹せんろみちは、大阪窯業セメント(当時)専用鉄道の廃線跡の一部です。

大阪窯業セメント専用鉄道は総延長3.7kmで、伊吹鉱山の石灰石を運ぶ機関車専用路線でした。伊吹山でセメントの採掘が行われていた昭和27年から平成11年まで、麓を機関車が走っていた時代があったんですね。当初はSLで、ディーゼルを経て、最後は電気機関車「いぶき号」になったそうです。

平成19年10月に、廃線跡の一部(約2.4km)が遊歩道になりました。それが伊吹せんろみちです。1枚目の写真は、伊吹せんろみち終点と廃線跡と伊吹山です。せんろみち終点は伊吹薬草の里文化センターの裏手にあり、廃線跡はここだけに残されています。

2枚目の写真は、伊吹せんろみちから見た伊吹山です。

近江長岡駅からは、伊吹せんろみち入り口まで約1km。伊吹せんろみちは弥高川の扇状地を約2.4kmほど続きます。途中弥高川の下をくぐるのですが、その手前の道を左に入るとビオトープと森林公園(春照小学校管理・散策自由)があり、とても美しいところです。

弥高川下トンネルから伊吹薬草の里文化センターまでの道は果樹園の中を抜け、往時の雰囲気が偲ばれます。伊吹せんろみち終点(伊吹薬草の里文化センター)から上野まで1.7kmほど歩けば、伊吹山上野登山口(三之宮神社)です。

近江長岡駅、春照の伊吹庁舎前、伊吹薬草の里文化センター、上野口と三之宮神社前にバス停があるので、徒歩と合わせて利用しても面白いかもしれません。

伊吹薬草の里文化センターでは、薬草風呂入浴と食事ができます。売店にミルクファーム伊吹のアイスクリームがありますよ!(歩いた後のアイスはご馳走です^^)

ちなみに春照北国脇往還の宿場だった町で、先日ご紹介した円空仏があります(拝観要予約)。

近江長岡駅にはタクシーが最高3台常駐しています(運転手さん談・2016年4月当時)。駅から上野登山口まではタクシーで1890円でした。バスだと360円です(2016年4月当時)。この日は列車事故があった関係で予定のバスに乗れなくて、3人で近江長岡駅からタクシーに乗ったら一人当たり600円強でした。というわけで、場合によってはタクシーをおすすめします。バス・タクシーとも所要時間15分。歩くと約1時間です。

◆距離・時間→近江長岡駅から伊吹山上野登山口まで:約5km・徒歩約1時間
(駅から伊吹せんろみち起点まで1km・15分、伊吹せんろみち2.4km・31分、伊吹せんろみち終点から伊吹山上野登山口まで1.7km・17分)

◆参考資料:伊吹せんろみち(米原市地域振興部地域振興課発行のパンフレット)

伊吹の荒ぶる神14(円空の仏像彫刻・大平観音堂の十一面観音)~近江山河抄の舞台...
藤川から伊吹の山麓を通って、木之本へぬける裏道があり、北国街道の「脇往還」と呼ばれる。田圃の中に稲架(はさ)がつづくひなびた風景は、近江の懐深く入りこんだという感じがする。その途中、伊吹の村で、円空作の十一面観音を見た。-白洲正子『近江山河抄』「伊吹の荒ぶる神」2014年9月、岐阜県の関ケ原から滋賀県...

中山道・醒井宿のネコ写真(4コママンガ風に)

似たような猫柄の2匹が、同じポーズで毛づくろい。
左のネコがこちらを振り向いて、「ところで誰?」


奥からもう一匹登場。こちらはグレーの毛並みが美しいネコ。


朝8時半の醒井宿。おはよう、一枚撮らせてね。


いじめる人でも、エサくれる人でもないらしい、と分かったので、
やっぱり毛づくろいに忙しい。
中山道・醒井宿(滋賀県米原市)で出合ったネコたち。

▼夏の醒井宿はこんなところです。

夏の醒井宿とバイカモの花(滋賀県米原市)
故郷滋賀の美しい風景をお伝えできたらと続けている、写真ブログ「Katata/堅田」です。今回ご紹介するのは、8月26日の朝に撮影した醒井宿の写真です。醒井(さめがい・滋賀県米原市)は中山道の61番目の宿場で、地蔵川の清流とバイカモの花で知られます。夏はサルスベリ(百日紅)のピンクの花が、印象的な場所です。ほぼ...

 

夏の醒井宿とバイカモの花(滋賀県米原市)

故郷滋賀の美しい風景をお伝えできたらと続けている、写真ブログ「Katata/堅田」です。今回ご紹介するのは、8月26日の朝に撮影した醒井宿の写真です。

醒井(さめがい・滋賀県米原市)は中山道の61番目の宿場で、地蔵川の清流とバイカモの花で知られます。夏はサルスベリ(百日紅)のピンクの花が、印象的な場所です。

ほぼ始発の電車で出かけたので、さすがに誰もいませんでした。車と自転車に注意して、撮影開始。暑くなりかける6月頃から、こうやって風景写真を撮ることが多いです。

 

昨今撮影のマナーについていろんなことが言われていますが、私が本格的に撮影を始めた数年前、すでに京都や奈良のお寺は撮影禁止・三脚禁止のところがかなりありました。
観光地に行っても、男性カメラマンで通行人や他の撮影者に邪魔だと怒鳴ってくる人もいたり。
怒鳴る人は静かににらんで、その場を離れることにしていますが、私がもっと前に生まれていて、男だったらよかったなと思うこともあります。今回のような風景写真を撮って行く事は今後ますます難しくなるだろうと感じています。

ですが、そんなとき醒井や堅田のような町で味方になってくれたのは、地元の皆さんや、ご年配の方、お子さんたちでした。自転車を止めてくれたり、他の場所を教えて頂いたり、ありがとうございます。これからも優しい写真を撮っていけたらいいなと思っています。(次回は醒井のネコが登場です。)


バイカモ(梅花藻)は、清流に咲く白い花です。
サルスベリのピンクの花びらが地蔵川に落ちて、バイカモの白と緑に映えていました。


醒井宿問屋場の前を流れる地蔵川。咲いているのはすべて、バイカモの花です。

バイカモの見ごろは6月から8月末。行けばほぼ花が見られる場所が、醒井宿問屋場(醒井宿資料館)前です。夏の醒井を撮りたくて出かけたのですが、こんなにたくさん花が咲いているのを見たのは初めてでした。

撮影しているうちに背中が汗びっしょりになりました。

加茂神社の向こうに、居醒の清水があります。古事記や日本書紀に登場し、ヤマトタケルノミコトが傷を癒すために用いたとされる湧水です。平成の名水百選に選ばれています。涼しげですね。

▼こちらもどうぞ。2013年夏に、中山道を柏原から醒井まで1宿分歩いたときの写真です。米原はどこへ行っても美しいです。

伊吹の荒ぶる神2(中山道・柏原宿から醒井宿を歩く~後編:柏原一里塚から醒井「...
中山道・柏原宿から醒井宿を歩く~後編は柏原一里塚(滋賀県米原市柏原)から掲載。写真は柏原一里塚(復元)。江戸日本橋から数えて115番目の一里塚だという。街道を挟んで北塚と南塚があったというが、両者とも現存しない。一里塚とは、大きな道路の側に1里(約3.927km)毎に旅行者の目印として設置した塚をいう。榎な...

 

日本百名山・伊吹山の夏の花(2016年8月9日撮影)

8月に入って猛暑が続いていますが、お変わりありませんか。少しでも涼しげな写真を・・・ということで、8月9日に撮影に行った伊吹山の写真を掲載します。

麓はいいお天気でも、山頂駐車場から見た山頂付近はご覧の通りのガス・・・天気を気にしながら、一番奥の西登山道から上りました。

西登山道は、伊吹山頂まで徒歩約40分・距離は約1000m。お花畑が楽しめるコースです。(※2014年夏に来たときは「遊歩道」と呼ばれていましたが「登山道」に名称変更されていました。)



8月の伊吹山でひときわ目を引いたのは、紫色のルリトラノオです。



そして、ピンクがきれいなシモツケソウ。夏の伊吹山を代表する花です。



西登山道の所々に獣よけの扉がありました。2014年夏に来たときはなかったものです。扉をくぐると、眼下にお花畑が広がっていました。写真はキオンの花です。



コオニユリの花もよく見かけました。周りの紫の花は、マメ科のクサフジです。


キキョウ科のツリガネニンジン

2014年は7月の終わりに伊吹へ来たのですが、そのとき満開だったメタカラコウヤマホタルブクロは、今回は終わりかけでした。時期が変わると花も変わるので、毎回微妙に違うのが山の面白いところです。


突然眼に飛び込んできたのが、シモツケソウの群生地。獣よけのネットの向こうに、見事なお花畑がありました。

保護活動をされている地元の方の話では、シモツケソウはシカやヨモギに負けてしまうので、ネットを張って除草をしながら、3年かけてここまで育てたそうです。


再び獣よけの扉をくぐって、西登山道の脇道に出ました。白く見えているのは石灰岩で、斜面には黄色い花が咲き、霧が出ていてどこか幻想的な風景。百名山らしい雰囲気のある写真が撮れました。


伊吹山の登山道がくねくねと、3合目に向かって伸びています。麓の上野登山口から続く登山道とここで合流します。


8月の伊吹山のもうひとつの主役、カワラナデシコの花が咲いていました。


山頂はこの通りのガス・・・気温は23度。東登山道(下山専用で徒歩約60分・距離は約1500m)で下りるつもりでしたが、中央登山道(急勾配だけど約20分・距離は約500m)に急遽変更しました。

写真の伊吹山寺は伊吹山修験道の寺で、入ると仏像を拝むことができます。僧侶の方が詰めておられて、先ほどまで気温は18度だったと話しておられました。

伊吹山は古来から修験道の聖地でしたが、江戸時代を最後に衰退の一途を辿ったため、再興を発願した方が昭和60年(1986年)に山麓伊吹山寺を再興されました。その後平成3年(1991年)になって山頂に本堂(写真)が再建されています。


途中で脇階段があったので、少し寄り道してみると・・・ネットの向こうにお花畑が広がっていました。きれいだなあ・・・フェンス越しに望遠で撮っています。


中央登山道は、長い階段が続きます。あれ、晴れてきたぞ??


サラシナショウマの白い穂が風に揺れる風景。秋だなあと感じる瞬間です。


竹生島と琵琶湖が、かなたに見えていました。左の山が伊吹山です。


うーん、山頂はすっかり晴れているぞ・・・
これが山だな・・・いつかまた来よう・・・


▼晴れた日の伊吹山。2014年7月に西遊歩道と東遊歩道(当時)で撮影しています。

伊吹山と夏の花~2014年夏の撮影日記から
今年の夏は本当に雨(豪雨)が多かったですね。被害に遭われた地域の皆様には、心からお見舞いお申し上げます。今回掲載するのは、豪雨の合間を縫って撮影してきた夏山の風景です。実はこの日の午前中(移動中)は大雨で、昼過ぎに奇跡的に晴れてくれました。冒頭の写真は、紫色の花が印象的なウツボグサです。撮影した...

▼伊吹山の山岳信仰について

惣持寺(長尾護国寺)と伊吹山寺~早春の滋賀県米原市大久保から(2)
日本百名山として知られる伊吹山は、古くから修験道で栄えた山岳信仰の地でもありました。かつて山腹から麓にかけて4つの護国寺が存在しました。その一つ「長尾護国寺」の後身が、滋賀県米原市大久保にあります。寺号は惣持寺(そうじじ)です。長尾護国寺の毘沙門堂。この時期に訪ねると、ロウバイの花がお日さまの光を...

 

グレートトラバースでおなじみ【田中陽希さん講演・座談会】&伊吹山お花畑観察会のお知らせ◆伊吹山ユウスゲまつり 2016/7/18(月・祝)午後@伊吹薬草の里文化センター&伊吹山三合目◆滋賀県米原市

滋賀県米原市で7月に開催される「伊吹山ユウスゲまつり」のお知らせです。

2016年度の今回は、NHK BSで2014年から2015年に放送された『グレートトラバース』でおなじみ【田中陽希さん講演・座談会】と伊吹山お花畑観察会です!

当日は、田中さんの講演会、NHK BS『実践!にっぽん百名山』でおなじみ萩原編集長も参加しての座談会が行われた後、会場から伊吹山三合目までシャトルバスが出ます。お花畑観察会には田中さんも参加される予定です。(※掲載写真は伊吹山9合目から望む登山道と3合目です。)

湖北の撮影先で告知チラシをもらったのですが、現段階で田中さんのホームページ以外に情報が出ていないようなので、当ブログでもお知らせしておきます。お近くの方、田中陽希さん・萩原編集長のファンの方はぜひどうぞ!
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伊吹の荒ぶる神14(円空の仏像彫刻・大平観音堂の十一面観音)~近江山河抄の舞台を歩く(79)

藤川から伊吹の山麓を通って、木之本へぬける裏道があり、北国街道の「脇往還」と呼ばれる。田圃の中に稲架(はさ)がつづくひなびた風景は、近江の懐深く入りこんだという感じがする。その途中、伊吹の村で、円空作の十一面観音を見た。-白洲正子『近江山河抄』「伊吹の荒ぶる神」

2014年9月、岐阜県の関ケ原から滋賀県米原市・長浜市をつなぐ「北国脇往還」を3回に分けて歩き、撮影したことがある。
1回目は関ケ原から米原市春照(すいじょう)まで12kmほど歩いた。山中の峠を越え、美しい春照の町(写真)に出てきたときは心からほっとした。

伊吹の荒ぶる神8(北国脇往還1:関ケ原から藤川の里を訪ねる、上平寺に寄り道し...
ある時私は、関ケ原から遡って、藤川の集落を訪ねたことがある。一条兼良はしばらくこの辺に滞在し、『藤川記』という書を残したが、定家も若い頃いたと伝えられ、彼が住んだという旧家も残っている。・・・藤川から伊吹の山麓を通って、木之本へぬける裏道があり、北国街道の「脇往還」と呼ばれる。田圃の中に稲架(は...

このとき立ち寄れなくて心残りだったのが、白洲正子さんが「その途中、伊吹の村で、円空作の十一面観音を見た。」と記した春照の大平観音堂(※要予約)である。

写真は、同じ日に見学した皆さんの後姿と大平観音堂。
江戸時代に円空が修行したのは、「伊吹山四ヶ寺」の一つである「太平寺」だったといわれている。

太平寺集落(滋賀県坂田郡伊吹村大字太平寺)はもともと伊吹山中腹にある集落だった。天空の城のような集落で、夏は涼しくソバの畑が広がり、と書くと牧歌的だが、冬場の積雪とそれに伴う集落の孤立は人々を苦しめた(このあたりのことは「地域包括ケアセンターいぶき」の医師の方による解説ページ「太平寺」に詳しい)。

太平寺集落は住民の総意で移転を決め、昭和38年(1963年)にセメント工場の開設に伴って伊吹村の春照に移転(現・滋賀県米原市春照)。十一面観音も一緒に移った。現在は地元の方が観音堂の管理をされている。

自分の撮影した中では、この写真が一番雰囲気が出ていると思う。円空さんらしいふくよかさ、ほほえみ、そしてノミ使いの跡が見て取れる。

銘文には、伊吹山の桜の木で、一日で彫り上げたと記してあり、高さ二メートルばかりの細長い木像である。何か霊感のようなものを得て、一気呵成に彫ったのであろう。荒っぽい鉈(なた)の跡に、烈しい気魄が現われている。窮屈な格好で、水瓶(すいびょう)を握りしめ、一心に何事かを念じている姿は、仏像というより神像に近く、「立木観音」というものの原型を見る思いがする。・・・十一面観音としては異質のもので、円空の創意と工夫がうかがわれる。-白洲正子『近江山河抄』「伊吹の荒ぶる神」

こちらは横顔。「像高180.5cmの桜の一本造り。元禄2年円空58才という晩年の作」である(資料提供:円空仏保存会)。この角度から見ると、すべてをくぐり抜けて悟りに達したような心境や、何かを許しているような表情にも見えてくる。

かつて伊吹村で、円空作の十一面観音に出会ったときの感動が私には忘れられない。それまで私は、円空には人がいう程興味を覚えないが、この像だけは印象に残っている。
・・・
この観音様は違っていた。おそらく素材に制約されたのであろう。窮屈そうに肩をすぼめて、宝瓶ををにぎりしめ、鱗形の天衣をまとった長身からは、鬱勃とした精気がほとばしるようであった。悲しいような、寂しいような微笑を浮かべた表情にも、孤独な人の魂が感じられる。-白洲正子『十一面観音巡礼』

▼大平観音堂(※2016年5月現在の情報)
予約制 毎月第1・第3日曜日 午後1時~4時
拝観料:300円
申し込み:米原市伊吹山文化資料館(0749-58-0252)


この日はJR近江長岡駅から泉神社、伊吹薬草の里文化センター(昼食)と歩き、大平観音堂を見学して「伊吹せんろみち」を経てJR近江長岡駅まで帰った。

泉神社の湧水は名水百選に選ばれていて、地元の方のご好意で自由に持ち帰ることができるようになっている(※下の写真が泉神社の取水場)。

伊吹の荒ぶる神に敗れたヤマトタケルが口にして息を吹き返したとされる水は、この泉神社の湧水とも、近くの醒井の水とも言われている。

イブキ、イブクという言葉は、息を吹くことを意味するから、霧の多い伊吹山に、古代の人々は、神のいぶきを想ったに違いない。そのいぶきに当って、日本武尊は命を落した。
・・・
『古事記』では、「居寝(ゐさめ)の清水」と呼び、大蛇も白猪になっているが、ともに伊吹山に住む原住民族を象徴したものに違いない。山頂からは、石器が多く出土しており、毒草をぬった石矢が、氷雨となって降りかかったのであろう。
・・・
このあたりを領した息長(おきなが)氏の祖先には、水依媛という人物がおり、水が豊富な伊吹山の周辺に、多くの水神が祀られたのも不思議ではない。・・・もしかすると、息長氏に助けられたのが、そのような伝説となって残ったのではあるまいか。尊の妃の一人は息長氏で、その一族が祀った水神と結びついたとも考えられる。 -白洲正子『近江山河抄』「伊吹の荒ぶる神」

醒井の「居醒の清水」については、以前にこちらでご紹介している。

伊吹の荒ぶる神2(中山道・柏原宿から醒井宿を歩く~後編:柏原一里塚から醒井「...
中山道・柏原宿から醒井宿を歩く~後編は柏原一里塚(滋賀県米原市柏原)から掲載。写真は柏原一里塚(復元)。江戸日本橋から数えて115番目の一里塚だという。街道を挟んで北塚と南塚があったというが、両者とも現存しない。一里塚とは、大きな道路の側に1里(約3.927km)毎に旅行者の目印として設置した塚をいう。榎な...

泉神社の地元・大清水(滋賀県米原市大清水)にて。きれいな水が流れる集落の一角で、絵になるお地蔵さんに出合った。

『近江山河抄の舞台を歩く』の撮影で私が一番通ったのは、間違いなく米原(滋賀県米原市)である。2016年は毎月のように伊吹山麓に通い、大久保のセツブンソウ小泉の棚田大久保の長尾寺ときて、大平観音堂の円空仏(今回)、そして観音寺(米原市朝日)と続いている。

地元滋賀のありのままの美しさをお届けしたいと続けてきたブログなので、悪質な無断転載(詳細は前回記事)などにめげず、少しずつでも掲載を続けていきたい。

田植え前の風景(滋賀県米原市大清水)。


オドリコソウが咲いていた。


伊吹山(右奥)と田植え中の田んぼ(滋賀県米原市長岡)。
米原はいつどこへ行っても美しいと実感する、今日この頃です。

撮影日:2016年5月18日
Copyright(c) Jun Kanematsu/junphotoworks.com(兼松純写真事務所)

『近江山河抄の舞台を歩く』は、『かくれ里』で知られる随筆家・白洲正子さんの紀行文『近江山河抄』に登場する場所を、写真と現在の情報を交えてご紹介する個人プロジェクトです。

近江生まれの筆者(兼松)が各地をなるべく公共交通機関と徒歩で訪ねて、時には現地のボランティアガイドの皆さんにご協力いただきながら、2013年3月より掲載してきました。

撮影許可が必要な場所や同伴者が必要な山の中以外は、現在ほとんどご紹介済みとなりました。その後2015年に滋賀で日本遺産に選ばれた場所があることから、そちらを追加してみようと現在各地を撮影中です。

 

▼こちらの本でも、大平観音堂の十一面観音(円空仏)が登場します。

穀雨の頃、小泉の棚田にて(滋賀県米原市小泉)

2016年4月20日は、二十四節気の一つ「穀雨」(こくう)。

田畑の準備が整い、それに合わせて春の雨の降るころ。
穀雨とは、穀物の成長を助ける雨のことである。(ウィキペディア)

滋賀県米原市小泉にて、「小泉の棚田」を撮影させていただきました。
小泉は伊吹山麓にある集落で、写真奥に見えているのは七尾山です。
セツブンソウ自生地で知られる大久保は、隣の集落になります。

小泉は水のとてもきれいなところで、集落の一角ではワサビの花が咲いていました。
棚田では地元の方が田植えの準備をされていました。

奥伊吹の春です。

撮影日:2016年4月15日
Koizumi Terraced rice fields(Koizumi,Maibara city,Shiga prefecture,Japan).
Copyright(c)Jun Kanematsu/junphotoworks.com(兼松純写真事務所)