撮影中の比叡山(飯室行者道)から下りてきたら、キュレーションサイトの報道が流れていた

2週間ほどご無沙汰していました。皆さま、お変わりありませんか。
私は11月の中旬から、紅葉の撮影で滋賀県内を撮影していました。

比叡山の麓にある安楽律院(大津市坂本本町)を訪ねたのが11月末。
安楽律院のそばにある飯室谷(いむろだに)は、比叡山延暦寺の一部です。
そして、千日回峰行のルートの一つ、飯室行者道の起点でもあります。

この機会にと思い立って、比叡山(飯室行者道)を歩いて撮影してきました。
山から下りてきたら、キュレーションサイトの報道が流れていてびっくり。

▼まとめサイト閉鎖、大手に飛び火 背景に収益優先の構図(朝日新聞2016年12月6日)
http://www.asahi.com/articles/ASJD54FCQJD5ULFA018.html

 

私自身、当ブログの文章・写真を中心に、数社に無断転載されて抗議を行った経験があります。

「ブログ(ネット上)に出しているから仕方ない」と知人に言われたこともありましたが、筆者の場合、出版社に提供して印刷物になっている写真もあるので、ブログだからコピーされるという問題ではなくなっています。

体験談をつづった約半年前の記事が今、検索で多くの方にご覧頂いているようです。
報道のおかげで、実家の両親にもかなり理解してもらえました。
無断転載の実情を皆様に知って頂けたこと、感謝しています。

この件は現在も個人で交渉中のところへ、奇しくも報道が重なったため、正直どうなるのか想像がつきません。

写真の無断転載に抗議して使用料の話をしてみたところ・・・某バイラルメディア/キ...
しばらく更新できませんでした。実は今、ブログ写真の無断転載の件で、ある商用サイトに抗議しています。今までは削除請求だけで穏便に済ませてきましたが、今回は賠償の話もしました。相手方が企業で完全な営利目的で運営されているサイトなのと、今まで他の人達から正当な抗議を受けているのに無断転載が起きているか...

今回撮影した写真はまとめるのに時間がかかりそうなので、飯室谷のことや飯室行者道のルートを、ブログKatata/堅田なりにご紹介しておきますね。


安楽律院のそばにある飯室谷(いむろだに)は、比叡山延暦寺の一部です。

比叡山延暦寺といえば、東塔(とうとう)・西塔(さいとう)・横川(よかわ)が知られていますが、飯室谷は意外に知られていない4番目のエリアと言ってもいい場所です。

千日回峰行を2度満行した酒井雄哉大阿闍梨が、晩年暮らしておられたのが飯室谷でした。現在は藤波源信大阿闍梨が、飯室谷長寿院住職としてお住まいです。
http://www.imurodo.com/

私は3年前に、比叡山横川から山道を駆けて、飯室谷へ下りた事がありました。今回掲載している写真は2013年11月当時のものです。

横川・飯室谷間は車道ではなく、人の足で行くしかありません。横川本坂と呼ばれる中尾道を使うと、30分ほどで下りてくることができます。(中尾道を登った人の話によると、上りは1時間はかかるようです。)

ちなみに、横川から東海自然歩道で仰木峠を経由すると、堅田のお隣である仰木・雄琴へ出てきます。冒頭の地図の右上に、堅田駅がぎりぎりで表示されていますね。

3年前の秋、鬱蒼とした横川から、歩いて坂本の町に下りてきたときのことは、今でも忘れられません。眼下に琵琶湖がキラキラと広がっていて、今まで山中を歩いていた独特の緊張は、はるか彼方の遠い昔の出来事に変わっていました。

このとき西教寺に下りる道が分からなくて、地元の方に道を教えて頂きました。坂本の皆さんの温かさに触れて、眼下には琵琶湖がキラキラと広がっていて、「ああ無事下りてこれたんだな、世界は本当に美しいな」と素直に思えた場所です。

横川にいた恵心僧都(『往生要集』で地獄の話をリアルに描いたお坊様)が、坂本に下りて聖衆来迎寺を、さらに琵琶湖岸の堅田に下りて浮御堂をひらいたのは、自然な流れだったように思います。

温かな人たちと、琵琶湖畔の美しい風景に触れて、恵心僧都さまは地獄と極楽の両方を感得されたように感じるのです。

比叡山は、ふもとの坂本・千野・仰木・雄琴・衣川・堅田と一緒に語ってこそ、本当に見えてくるものがあるのかもしれません。

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坂本に残る「衣川北国道」の道標~北国海道と衣川の話(滋賀県大津市衣川)
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飯室行者道のことは、その後も忘れたことはなく、いつか残りの箇所を歩きたいと思っていました。ところが、色々調べていくうちに、中尾道が飯室行者道なのか、はっきり確証がとれていません。

というのも、飯室行者道は、本当に古道になりつつあります。

「横川から飯室谷へ下りる行者道は中尾道」とする本もあれば、「古来からの飯室行者道は(中尾道の南側にある)栢ノ木坂(栢木坂・カヤノキ坂)」とする本もあって、実際に行った人の話では栢ノ木坂はほとんど使われていない道のようです。

ちなみに栢ノ木坂は、横川の恵心僧都廟の前から、飯室谷の慈忍和尚廟をつなぐ由緒ある道です。国土地理院の2万5千分の1の地図には、点線で表示されています。春になったら山仲間に応援を頼んで、栢ノ木坂を歩けたらと思っています。

今回撮影した写真を含め、また何かの形で、皆さまにご紹介できればと思っています。

飯室谷へいっきに下る急坂がある。「元三大師みち」という石標があり、二キロあるというが、またたくうちにすべり降りてしまう。うっそうと茂った木立の中に、不動堂と、慈忍和尚の廟が建ち、私が行った時には、真赤な落椿が、苔むした石垣を染めていた。-白洲正子『近江山河抄』「日枝の山道」

飯室谷へは、坂本の西教寺からも、仰木からも車で行けるが、少々苦しくても、横川から下ってみないことには半分の価値もない。観無量寿経も法華経も、私の理解を超えるが、近江の自然は、理屈ぬきで、浄土の世界へと誘ってくれる。-白洲正子『近江山河抄』「日枝の山道」

日枝の山道5(比叡山横川から飯室谷まで、千日回峰行の道を駆け下りる。そして安...
白洲正子さんの『近江山河抄』を読んだ時、心に残った一節がある。「飯室谷へは、坂本の西教寺からも、仰木からも車で行けるが、少々苦しくても、横川から下ってみないことには半分の価値もない。」横川(よかわ)といえば、比叡山延暦寺の一番奥、深い山の中にある。飯室谷へは千日回峰行の道の一部になっているので、...

↑この記事の最後に追記している話を、再掲します。

無動谷回峰行(無動寺明王堂を起点終点とするルート)・・・(2015年)10月21日未明に「堂入り」を達成した釜堀浩元師が歩いておられるのは、このルートです。
飯室回峰行(飯室谷を起点終点とするルート)・・・故・酒井雄哉大阿闍梨が復刻したルートです。今回掲載したのは飯室回峰行のうち中尾坂と呼ばれる区間の写真です。
西塔回峰行・・・今は途絶えたと言われるルートです。

今回も中尾道を下りましたが、『近江山河抄』を素直に読む限り、白洲正子さんも下った道は中尾道のようですね。というのも、横川・飯室谷間で「元三大師道」の道標があるのは中尾坂だけです。「元三大師道」の道標を調査された方がおられますが、栢ノ木坂にはこの道標はないようです。この辺りもまだまだ調べる必要があります。

 

▼今回歩いた飯室回峰行のルート(()で記載した場所は今回省略しています)

(坂本の町~)日吉大社~八王子山~神宮寺跡~大宮谷林道~悲田谷道~(慈覚大師廟~)東塔~(無動寺谷~智証大師廟~西塔~)峯道~玉体杉~横川~(元三大師御廟~恵心廟~)中尾坂[※1]~飯室谷~慈忍大師廟~奈良坂[※2]~(西教寺~)山の辺の道[※3]~日吉大社前

※1:前述したとおり、古来からの飯室行者道は「栢ノ木坂」ですが、安全のため中尾道推奨。

※2:奈良坂の途中にある「坂本の道」道標で、覚坂道と分岐します。
「坂本の道」道標で「坂本への遠回り」と表示されているのが、本来の奈良坂です。

「坂本への近道」と表示されているのが「覚坂道」ですが、覚坂道の区間とあわせて「奈良坂」と表示しているサイトが多いようです。奈良坂の取り付き(西教寺側)は荒れているため(確認済み)、覚坂道推奨。

※3:西教寺から日吉大社へは、地図と照らし合わせると「山の辺の道」が本来のルートに近いのではと推測しています。山の辺の道についてはこちら↓

日枝の山道3(延暦寺の門前町、坂本。旧竹林院~山の辺の道~西教寺)~白洲正子...
旧竹林院の庭園。2013年7月よりしばらく公開中止との事で、先日撮影させて頂いた。(撮影日:2013年6月5日)※追記:2014年9月2日より、公開が再開されています。旧竹林院は、比叡山延暦寺の僧侶の隠居所(里坊)だった場所である。京阪電車の坂本駅や日吉大社にも近い場所にあり、一般公開されている。坂本の里坊には、...

 

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