滋賀の桜(14) 酒波寺の行基桜、今津の竹生桜と夫婦桜(高島市今津町)

集落と菜の花とおばあさん

琵琶湖の北西に位置する、高島市の今津町を訪ねてきました。今津の桜はエドヒガンが多くて、今津からマキノにかけて至るところにエドヒガンが見られます。地元の方の話では、今津町酒波(さなみ)だけでもエドヒガンの大木が140本程度あるとのことです。

今津町酒波へは、JR近江今津駅から湖国バス「運動公園線」伊井(いい)または酒波(さなみ)下車。バスは酒波には止まらないことのほうが多いので、伊井から酒波寺まで20分かけて歩きました。最初に訪ねた日は曇りがちだったので、4日後に再訪しています。冒頭の写真は、最初に訪ねた日に日置前集落で撮影したものです。

川沿いの桜並木と酒波寺の門

伊井バス停から山側へ向かって直進し、行き止まりで右折。日置前の集落を抜けると「クリチャンハウス原木しいたけ」さんの建物があるので、ここを左折。まっすぐ行くと酒波の集落です。酒波のバス停は道沿いの多目的集会施設の横にあります。道は川にぶつかるので、川沿いに桜並木を見ながら上っていくと酒波寺の赤い門があります。

酒波寺の門と桜

酒波寺。寺の前にあった案内板によれば、酒波寺は天平13年(741年)に聖武天皇の御願により行基が建立したと伝わります。往時は数多くの僧坊を有する大寺院だったようです。興味深いのは、この由来が奈良の興福寺の記録に残っていることです。

滋賀の古い寺は由来をたどると、奈良の貴族・僧侶あるいは興福寺の影響下にあったお寺が少なくありません(栗東の金勝寺や湖南の西応寺など)。酒波寺もその一つのようです。元亀3年(572年)に織田信長の焼き討ちに遭い、江戸時代に本堂が再建されて現在に至ります。

酒波寺の行基桜

酒波寺の行基桜。エドヒガンの大木です。最初に訪ねた日(2016年4月5日午前)にはすでに満開でした。この写真は4月9日午前中に撮影したものです。

酒波寺の前の車道を、琵琶湖の方向へ10分ほど歩いていくと、国道161号線が見えてきます。天気のいい日は161号線の上に竹生島が浮かぶように見えます。国道161号線の高架下をくぐると、目の前に竹生桜と呼ばれるエドヒガンの大木があります。

今津の竹生桜

竹生桜です。↑山側から見たもの↑、そして↓琵琶湖側から見たもの↓です。

今津の竹生桜とダイコンの花、菜の花

ダイコンの白い花、菜の花の黄色がとてもきれいでした。

竹生桜の前の道を、琵琶湖の方向へ10分ほど歩いて下りていくと深清水の集落に入ります。深清水は滋賀県最大の柿の産地なんです!

南深清水の柿の木

深清水の柿畑。この風景が道沿いに広がっていて、最初に訪ねたときはびっくりしました。4日後に再訪したときは、柿の木から新芽が吹きだすように出ていたので、またびっくり。この時期は日ごとに風景が変わります。自然の力、植物の力はすごいですね。

深清水の夫婦桜

深清水の墓地の中、ダイコンの白い花に囲まれて、夫婦桜があります。
寄り添うようにして咲くエドヒガンの大木です。もう何も言葉になりませんでした。

撮っていると魂が吸い込まれそうでした。次も夫婦桜の写真です。

深清水の夫婦桜

夫婦桜がある場所は、竹生桜から琵琶湖の方向へ向かう道を北へ一区画ほど入ったところです。看板等は出ていませんが、大きな木なので遠くからでもよく分かります。

竹生桜から琵琶湖の方向へまっすぐ下りてきた道は、南深清水バス停に出ます。私は南深清水からバスで近江今津駅まで戻りました。車で来られる方は、酒波寺か南深清水バス停(南深清水集会所近く)を目安にされることをお勧めします。道中、何人かの人に桜の場所を聞かれたので、備忘録として残しておきますね。

近江中庄駅へ出たい方は、途中の大沼バス停で下車されると、徒歩10分で近江中庄駅です。マキノ方面行きのJR湖西線は本数が少ないのでご注意下さい。湖国バスも本数が少ないので、湖国バスホームページで事前に確認されることをお勧めします。

撮影日:2016年4月5日、4月9日
Copyright(c)Jun Kanematsu/junphotoworks.com(兼松純写真事務所)


▼奈良と滋賀の寺のつながりについては、以下の記事(バックナンバー)をどうぞ。

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