滋賀の桜(8) 徳源院の道誉桜(滋賀県米原市清滝)


滋賀県米原市の清瀧寺徳源院に、道誉桜と呼ばれる桜があります。
資料によれば、エドヒガンザクラの一種で、樹齢約300年。樹高約10m、胸高周り2.3mだそうです。京極家の第5代当主・佐々木道誉(高氏)が植えたと伝えられる桜で、現在は2代目にあたります。

道誉は鎌倉時代から南北朝時代の人物で、当初は鎌倉幕府の執権・北条高時に仕えました。その後、足利尊氏に味方して室町幕府の成立に尽力し、政所執事を務めた実力者でした。粋に振舞う「婆沙羅(ばさら)大名」として、『太平記』にも登場しています。

清滝は元弘の変(後醍醐天皇を中心とする討幕の乱・1331-1333年)の舞台となった場所でした。
後醍醐天皇に仕えた北畠具行が幕府方に捕われて護送される途中、斬首されたのが清滝です。具行の人柄を惜しんだ道誉は、徳源院に一ヶ月ほど留めて命乞いをしたと『増鏡』にあります。

貞和三年(1347年)、徳源院に近い丸山の山頂に、北畠具行卿墓(宝篋印塔)が建てられました。現在、国指定の史跡になっています。


道誉桜(3代目)と三重塔。
3代目は1977年(昭和52年)に植えられた桜だということです。


左が道誉桜(2代目)、右が3代目。

徳源院は京極氏の菩提寺で、境内には歴代当主の墓(石廟と宝篋印塔)が並ぶ様は圧巻です。
京極氏歴代当主の墓も国指定の史跡になっています。
徳源院と京極氏については、以前このブログで詳しくご紹介しています。

▼近江源氏・佐々木氏ゆかりの地を巡る。氏神「沙沙貴神社」と京極家の菩提寺「徳源院」
http://katata.info/2013/07/ohmisangasyo-032/


清滝の集落に咲く桜。その向こうを、関ケ原方面へと新幹線が通り過ぎていきました。
伊吹山は雲の中です。


徳源院のもより駅は、JR東海の柏原駅(かしわばらえき・滋賀県米原市柏原)です。
柏原は中山道の宿場町で、ごらんのとおり、町並みが非常に美しいところです。

柏原駅から徳源院までは、中山道経由で約25分。朝8時過ぎだったので誰も歩いていませんでした。地元の方に教えていただいた柏原中学校の裏を通るルートだと、少し近道になります。下に地図を出しておきましたのでご参考になれば幸いです。

駅から機材を背負って徳源院まで歩き、また駅まで歩いて帰りました。次は三島池へ向かいます。
(撮影日:2015年4月9日)

▼柏原駅から徳源院への地図(近道)

▼中山道を歩く場合の地図:柏原~(寄り道して徳源院)~醒井の地図(Google map)
中山道(醒井・柏原・関ケ原)と北国脇往還を歩く~滋賀県米原市・長浜市・岐阜県不破郡関ケ原町

付記:米原市にて、もうひとつの「元弘の変」の舞台(米原市番場の蓮華寺)

元弘3年(1333年)5月9日、六波羅探題北方の北条仲時は、足利尊氏に追われ東国へと向かいます。しかし軍勢は佐々木道誉によって阻まれ、番場の蓮華寺(写真)で一族432人と共に自刃しました。

蓮華寺境内には仲時主従の一石五輪塔群の墓があり、お参りすると胸に迫るものがあります。
春の蓮華寺は、境内の紅梅(3月末・写真)と、コバノミツバツツジ(4月上旬~中旬)がきれいです。
番場はやはり中山道の宿場町で、関ケ原→柏原→醒井→番場と位置します。
米原駅からバスがありますが、徒歩も可能(約1時間)です。一緒に回ってみるのもおすすめです。

伊吹の荒ぶる神13(北国街道米原宿から中山道番場宿へ、鎌刃城跡に登り蓮華寺を訪ねる)~近江山河抄の舞台を歩く(78)


▼桜シリーズ(2014年~2015年撮影)

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