紫香楽の宮8(山岳信仰の山、田上山に登る<前編:不動寺と太神山>)~近江山河抄の舞台を歩く(59)


滋賀県南部に位置する田上山(たなかみやま)は、古くから山岳信仰の山として栄えた。
琵琶湖から流れる瀬田川に近く、豊かな森だったため、藤原京の木材として調達された。
それ以降も伐採は続き、江戸時代に禿山に変わったが、明治以降植林が進められている。所々白っぽく見えているのは、田上山独特の巨岩(花崗岩)。


山道には、岩の間を抜けて歩いていく箇所もある。(写真は太神山にて)
田上山は、太神山・矢筈ヶ岳・笹間ヶ岳・堂山の総称で、巨岩・奇岩が多い。
一帯は金勝山(竜王山・鶏冠山)ともに湖南アルプスと呼ばれ、登山コースになっている。


太神山(たなかみやま)の麓でまず迎えてくれるのが、迎不動(むかえふどう)。
太神山に不動寺を開いたとされる円珍(智証大師)と不動明王を祀る。


今回のコース。アルプス登山口→不動寺・太神山→矢筈ヶ岳→富川道と回る。
2013年秋の台風18号の被害も気になっていたので、山仲間の協力を得て歩いた。
撮影したのは2013年12月の暮れで、どの不動さんにも正月飾りが飾られていた。
天神川に沿って車道を進むと、石のお地蔵さんの左に車止めがあって、さらに進む。
しばらく登っていくと、右手に東海自然歩道の分岐点があって、そこから山道に入る。


岩の間を通り、ひたすら山道を登っていくと、地蔵堂があった。
不動寺は近いと期待したが、ここから先がまだまだ長かった。
言葉を換えれば、太神山全体が不動寺(田上不動)を構成しているような感じだ。
要所要所に不動さんがいて、チェックポイントのようにたどっていく。


次に出会ったのは、苔むした岩に囲まれた神秘的な場所。岩が祀られていた。


泣き不動。
この泣き不動の先に、不動寺(太神山)と矢筈ヶ岳の分岐点がある。
矢筈ヶ岳への道は大丈夫だと、台風18号後に来たハイカーさんが書き残してくれていた。
そのまま不動寺(太神山)へと進む。


ついに、不動寺の参道入り口に着く。信楽から登ってくる道とここで合流する。
信楽から登ってくる道・・・かつて金勝寺の参道が南(信楽)へ延びていたのと同じだ。
後で調べたところ、信楽から不動寺へ登ってくる道は今も使われているということだった。


先ほどの石柱の左に広がっていた風景。不動寺の参道が山中へ続いている。
山中はさらに神秘的な雰囲気となり、途中で、新免地区から登ってくる道と合流した。
写真の参道入り口から20分は歩いて、ようやく不動寺の境内に着いた。


不動寺境内。さらに奥へ続いている。先日の雪で地面は真っ白だった。
写真の建物の周辺には休憩所やトイレがあり、参拝者にとってはありがたい。


趣のある石段を登っていく。


不動寺の大杉と境内社。晴れてきて光が差し込む。木々の奥に石段が続いていた。


岩の上に本堂があるので、清水寺(清水の舞台)のように、木の柱に支えられている。


本堂の前の巨岩には、上部に石仏が彫られていた。


不動寺の内部。現在の本堂は室町時代前期に建てられたもの。
薄明かりの中で、提灯が天井から沢山下がっていたのが、とても幻想的だった。


不動寺の奥の院。


巨岩の間から木が生えている。太神山の三角点(599.7m)は、この岩の裏にある。


本堂から石段を下りてくると、不動寺の大杉が見えていた。
いつまでも健やかに、参拝する人たちを見守っていてほしいと思った。
この後、不動寺の境内にある休憩所で昼食をとって、矢筈ヶ岳へ向かった。(続く)

 

次回予定:山岳信仰の山、田上山に登る<後編:矢筈ヶ岳~御仏河原・富川道>

▼ご参考に・・・三上・田上・信楽県立自然公園(滋賀県HPへのリンク)
http://www.pref.shiga.lg.jp/d/shizenkankyo/furusato/park/mikami.html


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